1. この記事でマスターする文法:【受動態(受け身)】
英検3級の文法問題で、多くの受験生が「なんとなく」で選んで失点してしまうのが 受動態(be動詞 + 過去分詞) です。 「書き換え問題はできるのに、4択になると迷う……」 その原因は、選択肢の中に「普通の文(能動態)」と「受け身の文(受動態)」が絶妙に混ざっているからです。
しかし、英語のルールは常にロジカルです。受動態の問題は、意味を考える前に 「主語」と「動詞」の力関係 を確認するだけで、4つの選択肢のうち3つが「物理的にあり得ない形」として浮かび上がってきます。今回は、一瞬で正解をあぶり出す 「主語判定術」 を伝授します。
2. 「日本語訳」の落とし穴:橋は自分で自分を建てない
私たちが受動態でミスをする最大の理由は、日本語の「〜した」という便利な言葉にあります。 例えば This bridge built... という文を見たとき、頭の中で勝手に「この橋は(誰かが)建てた……んだな」と、都合よく補完して訳してしまうのです。
しかし、英語は「誰が・何を・どうする」という責任の所在がハッキリした言語です。 受動態を攻略するには、主語を擬人化して 「こいつに意志はあるか?」 と問いかける必要があります。
【本質文法】主語と動詞の「力関係」
- 能動態(普通の動詞): 主語が自分の意志で、そのアクションを起こす。
- 受動態(be + 過去分詞): 主語は動かず、外からの力によってアクションを「受ける」。
主語が 「物」 の場合、その物は自分の足で歩くことも、自分の手で文字を書くこともできません。それなのに選択肢に「普通の動詞」が入っていたら、それは文法的に成立しない 「ホラー文」 なのです。
3. 「主語に心はあるか?」 意志チェックで選択肢を掃除する
具体的な例を挙げてみましょう。主語が "The letter"(その手紙) だったとします。 手紙に心はありますか? ありませんね。手紙は自分からポストに飛び込むことも、自分でペンを握ることも不可能です。
- ❌ The letter wrote... (手紙が……書いた) → 想像してください。夜中に手紙が勝手にペンを動かして手紙を書いているシーンを。怖すぎますよね。これが「能動態」にしてしまった時の不自然さです。
- ✅ The letter was written... (手紙が……書かれた) → これが正しい姿です。誰かによって書かれるという「アクションを受けた」状態。だから受動態なのです。
このように、主語が「物」であれば、選択肢の中で be動詞 + 過去分詞 の形になっていないものは、すべて見た瞬間に「切断」して良いのです。
4. 切断トレーニング:1秒で「あり得ない形」をゴミ箱へ
では、実際のテスト形式で、思考のプロセスを体験してみましょう。
This stadium ( ) ten years ago.
① built ② builds ③ was built ④ was building
ここで「このスタジアムは10年前に……」と日本語でこねくり回すのは時間のムダです。プロの視線はこう動きます。
STEP 1:主語の正体を暴く!
主語は "This stadium"(このスタジアム) です。「物」であり、意志はありません。この瞬間、「スタジアムが自分で何かをする」という選択肢はすべて全滅 させます。
STEP 2:選択肢を「切断」する
- ❌ ① built:過去形。「スタジアムが(何かを)建てた」という意味になるので即切り。
- ❌ ② builds:現在形。「スタジアムが(普段から)建てる」という意味になるので即切り。
- ❌ ④ was building:過去進行形。「スタジアムが(建設作業員のように)建てている最中だった」という意味になるので、SF映画確定。即切り。
STEP 3:残ったピースを確認する
- ✅ ③ was built:be動詞 + 過去分詞。
残ったのはこれだけです。「建てられました」という日本語訳は、この作業の結果として付いてくるものに過ぎません。
5. 文法的な裏付け:なぜ「by」がなくても受動態なのか?
教科書ではよく be + 過去分詞 + by 〜 と習いますが、英検ではあえて by(〜によって)を隠してくることが多々あります。
「byがないから、受動態じゃないかも……」と不安になる必要はありません。 by を探すのではなく、常に「主語と動詞の相性」を見てください。 たとえ by my father が書いてなくても、The car was washed. となっていれば、車は勝手には洗われません。
「物が主語なら受動態」というルールは、by があろうとなかろうと、英語という言語の絶対的なルールなのです。
6. この記事で学んだ「核心文法」のまとめ
今回のトレーニングで、脳に定着させてほしい本質は以下の3つです。
- 主語の「意志」を確認せよ: 「物」が主語の文で、普通の動詞(能動態)が選ばれることはありません。
- 過去分詞の「エンジン」はbe動詞: 受動態を作るには、過去分詞だけでなく、時制(過去か現在か)を決定する be動詞というエンジンが不可欠です。
- 進行形ひっかけ(...ing)に注意:
was buildingのような進行形は、主語がそのアクションを「やっている」状態を指します。「物」が主語の時は、真っ先にバツを付けるべき選択肢です。
7. 結論:「誰がそれをするのか?」を疑い続けろ
受動態の問題は、一種の「論理クイズ」です。 「誰がそのアクションを起こしているのか?」を意識するだけで、英検3級の文法問題は驚くほどシンプルになります。
Googleの検索結果に広告が出てこないのが不自然なのと同じように、意志のない「物」が主語なのに普通の動詞が並んでいるのは、英語として明らかに「エラー」なのです。 この感覚が身につけば、あなたはもう受動態を「暗記」する必要はありません。形だけで正解を射抜く快感を、ぜひ次の模試で味わってください。
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